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作家のダグラス・クープランドは、エッセイ集『Polaroids from the Dead』のなかで、壁の崩壊から5年後のベルリンの状況についてこんなことを書いている。西側に憧れてきた旧東ドイツ人は、西側に幻滅し、危機感を覚えているが、彼らの目の前にあるのはもはや西側ではなく、グローバリズムの世界だ。そして、西側の人間はもっとひどい危機に直面している。なぜなら、すでに完全に消費に立脚した欲望の世界を体験し、その実体が空虚なものであることを知っているからだ。
『レボリューション6』は、そんな現実を踏まえて、「勝ち組と頑固な負け組の闘い」という図式を修正していく物語だといえる。6人のなかで、ティムやホッテの対極に位置しているのがマイクやフローだ。広告業界で成功を収めているマイクは、"I
♥ Bill Gates"のTシャツが物語るように、グローバリズムを体現し、フローは、何よりも経済的な豊かさを結婚の基準にしている。
この映画では、15年の間に深い溝ができてしまった彼らが、再び力を合わせていく姿が描かれるが、そんなドラマをより印象深いものにしているのが、マニック・ストリート・プリーチャーズのヒット曲<ジ・エヴァーラスティング>だ。この曲では、かつて夢や希望を共有し、同じ大義のために活動した仲間たちのいまの心境が歌われる。異なる人生を歩み、年をとることによって、彼らの間には亀裂が生じている。そして、「ぼくたちが勝利を収めていた頃は
/ ぼくたちの微笑みが本物だった頃は…」という失われた過去を意味する詞は、まさにこの映画の冒頭のシーンを想起させる。
映画では、この曲が2度流れ、主人公たちの心の変化を浮き彫りにする。1度目は、フローがティムに昔のようには生きられないことを告白するところから曲が流れだし、ネレがふとガラスに映った自分の顔を見つめ、マイクがオフィスで物思いにふける姿へと繋がっていく。彼らは、再び力を合わせることで昔の記憶が甦るが、それは一時的なもので、過去は取り戻せないのだと自分に言い聞かせている。しかし、ラストで再びこの曲が流れるとき、彼らは、勝利や本物の微笑みを取り戻し、「勝ち組と頑固な負け組」とは違う関係を築き上げているのである。
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