リーヴ・トゥ・リメイン(原題)
Leave to Remain  Leave to Remain
(2013) on IMDb


2013年/イギリス/カラー/89分/
line
(初出:)

 

 

ひとりでイギリスにやって来た10代の難民申請者たちの世界
実話に基づき、実際の難民が主人公を演じるリアルな物語

 

 これまでテレビで多くのドキュメンタリーを手がけてきたブルース・グディソン監督の劇映画デビュー作です。日本では、2005年のTVドキュメンタリー作品『The Flight That Fought Back』が『The docu-drama of フライト93 The Flight That Fought Back』としてDVD化されています。

 『リーヴ・トゥ・リメイン(原題)/Leave to Remain』では、西アジアやアフリカからそれぞれの事情でひとりでイギリスにやって来た10代の難民申請者たちの世界がリアルに描き出されます。物語は実話に基づいていますが、グディソン監督はそうした若者たちにただリサーチするのではなく、映画以前に彼らの支援に乗り出し、フィルム・アカデミーを作ってスキルを引き出す指導なども行なっていたということです。この映画はそんな活動の成果を土台に製作されています。主人公には実際の難民が起用されています。

 映画の冒頭には、毎年ひとりでイギリスにやってくる膨大な数の青少年のなかで、難民に認定されるのは10人に1人という実情が提示されます。おそらく過去の体験を証明するものが乏しいため、審査も厳しくなり、申請者も狭き門をくぐり抜けるために自分を偽らざるをえない可能性もあります。この物語はそんな複雑な現実を描き出しているともいえます。

 物語の軸になるのは、3人の主人公です。映画は、アフガニスタンから来たオマールが、関係者たちの前で自己の体験を語る場面から始まります。彼の家族はタリバンに命を奪われました。申請者のための施設に長く暮らす彼には、人を説得するカリスマ的な力があり、難民認定が現実のものになろうとしています。ところが、そんなときアフガニスタン出身のアブダルという少年が施設に入ってきます。彼はオマールの嘘に気づき、そこから軋轢が生まれます。


◆スタッフ◆
 
監督/脚本   ブルース・グディソン
Bruce Goodison
脚本 シャーロット・コルバート
Charlotte Colbert
撮影 フェリックス・ヴィーデマン
Felix Wiedemann
 
◆キャスト◆
 
Omar   Noof McEwan(Ousellam)
Abdul Zarrien Masieh
Zizidi Yasmin Mwanza
5 Names Farshid Rokey
Alpha Ntonga Mwanza
Chloe Melanie Wilder
Nigel トビー・ジョーンズ
Toby Jones
-
(配給:)
 

 もうひとりの主人公は、ギニア出身の女の子ジジディ。13歳で結婚し、14歳で妊娠した彼女は、夫の暴力で死産し、夫から逃げようとして集団による暴行を受け、イギリスにやって来ました。芯の強い彼女は、トラウマに苦しみ、突然過去が甦って自己を制御できなくなるオマールを支えようとします。

 とりあえず基本的な情報と感想ということで、いずれレビューを書きたいと思います。施設の教師ナイジェルに扮するトビー・ジョーンズの好演も光ります。孤独な若者たちの複雑な内面を非常に繊細に描き出しているという意味では、デスティン・ダニエル・クレットン監督の『ショート・ターム』を思い出したりもしました。

 

(upload:2015//)
 
 
《関連リンク》
THE INDEPENDENT | Leave to Remain: Teenage asylum
seekers star alongside Toby Jones in film about refugees
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