サバービアの憂鬱


1993年に東京書籍から「サバービアの憂鬱」という本を出しました。これは、アメリカのサバービア(郊外住宅地)の戦後から現代に至る発展過程や、家族と個人、ライフスタイル、政治や人種問題との関係などをめぐる諸問題を、映画、小説、ノンフィクション、音楽、写真やその他のアートなどを通して検証する本でした。本の評判は悪くなかったのですが、残念ながらそれがセールスに結びつかず、現在は絶版になっています。しかし今年(2000年)になって東京創元社より本書の文庫化のお話をいただき、2001年の後半に創元ライブラリの一冊として文庫版「サバービアの憂鬱」を出せることになりました。93年からだいぶ時間も経っていますので、文庫版は大幅に手直しを加える予定で、加筆を進めています。最終的には、書き下ろしに近いものになるのではないかと考えています。このコーナーでは、単行本「サバービアの憂鬱」の目次や、この本の刊行後に雑誌に書いたサバービア関連の原稿を公開していきます。また、文庫版が出たあとで、それに盛り込めなかった単行本の原稿をこのコーナーにアップすることを検討しております。


『サバービアの憂鬱』通信 

「サバービアの憂鬱 アメリカン・ファミリーの光と影」(東京書籍)の目次


サバービアの憂鬱 序章
第1章 50年代の郊外の世界へ
第2章 新しい郊外の現実
第3章 娯楽を変えた50年代のモンスター
第4章 広告と商品から浮かびあがる郊外の幸福
第5章 アメリカン・ファミリーの出発点
第6章 郊外と都市のはざまで揺れる理想
第7章 変わりゆくアメリカの風景――郊外の観察者ジョン・チーヴァー
第8章 アメリカン・ファミリーの亀裂
――リチャード・イェーツ、ブルース・J・フリードマン、ジョン・アップダイク、『泳ぐひと』
第9章 アメリカン・ドリームの向こう側――ビル・オウエンズ、ジョイス・キャロル・オーツ 
第10章 郊外住宅地の夜空に飛来するUFO――スティーヴン・スピルバーグのトラウマ
第11章 ボルティモアの郊外から噴きだすバッド・テイスト――ジョン・ウォーターズの挑発
第12章 郊外の子供たちのモノローグ――『ぼくらを撃つな!』、エリック・フィッシュル、ベッツィ・イスラエル
第13章 中流の生活を見つめるミニマリズムの作家たち――レイモンド・カーヴァー、デイヴィッド・レーヴィット
第14章 保守化するアメリカから浮かびあがる家族の肖像――『普通の人々』、ブラット・パック、ジョン・ヒューズ
第15章 崩壊する家庭とよみがえる50年代の亡霊――スティーヴン・キングの暗闇
第16章 揺らぐ50年代のイメージ――デイヴィッド・リンチ、『ペアレンツ』、『クライ・ベイビー』
第17章 戦争が終わり、世界の終わりが始まった――フィリップ・K・ディックの50年代体験
第18章 郊外のティーンエイジャーに襲いかかる悪夢――『ハロウィン』、ウェス・クレイヴン
第19章 こわばった郊外居住者の妄想――『ネイバーズ』、『メイフィールドの怪人たち』、『チェッキング・アウト』
第20章 エスケープ・フロム・サバーブス――『サムシング・ワイルド』、『トラック29』、『アラクノフォビア』、etc.


[Book] サバービアにつづくハイウェイ上の孤独――路上の物語から浮かび上がる郊外生活の歪み
[Movie] 感謝祭とサバーバン・ライフ――都市から郊外ではなく、郊外から都市、そして神話へ
[Movie] トッド・ヘインズ――80年代から浮かび上がるアメリカのダークサイド



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